温度調整機能ウェアについて
体温と汗
体温を一定に保つため、汗は重要な役割を持っています。
体温が上がると汗が出るのは、汗が蒸発(気化)するときに皮膚の表面の熱を奪って身体を冷やしてくれるからです。逆に寒い時は、汗の蒸発は自動的に制御され汗をかきません。
このように皮膚は水分の蒸発をコントロールして体の快適な温度を管理しているのです。
温度調整機能の生地(HeiQ Smart Temp 加工)
温度調整機能(HeiQ Smart Temp)は、皮膚の水分移行を補助し汗の蒸発をコントロールします。(図1参照)
●温度が高い時:皮膚から出た水分をウェア外に放出 → 冷却効果
●温度が低い時:皮膚から出た水分をウェア内に維持 → 保温効果
図1. 環境の温度によって繊維内の高分子の構造が変化
●温度が高い条件下:繊維表面の高分子が折り畳まれ水分を放出する。
●温度が低い条件下:繊維表面の高分子が長く伸びた状態を維持し、水分を捕まえる。
温度調整機能を追加することで、生地が体温の上昇や発汗を感知します。着用時において、暑い時はウェアの水分を素速く蒸発させ、涼しい時はゆっくりと蒸発させます。その結果、通年を通して激しい運動時でも快適なプレーを可能にしてくれるのです。(図2参照)
図2. 温度調整機能(HeiQ Smart Temp) のある場合と無い場合の赤外線写真 (汗かきマネキンによる検証結果)
速乾性では、温度調整機能の生地(HeiQ Smart Temp加工) は、未加工のそれと比べて35%短い時間で同量の水分を乾燥させます。これは、洗濯する際の自然乾燥の時短や乾燥機にかかる電気代の節約に繋がり、約17kg の二酸化炭素の放出の削減に役立っているなど、自分にも環境にも優しい機能です。
参考文献:HEIQ SMART TEMP Intelligent Thermoregulation